陽性になってから回復するまでの10日間

本日は2月20日。

自分がコロナ陽性になってしまってから、もう10日も過ぎた。

コロナの恐怖、辛さを少しでも知っていただきたく思い、長く、それでいてあっという間の10日間の生活を綴っていく。

 

2月10日

・この日は休日だった。

 特になんて事はない、午前中はゲームしながら動画を見たり、小説をチマチマ書いたりと「いつも通り」を楽しんでいた。午後から本屋に出かけようかなぁと、アレコレ予定を組み立てながら昼食を食べ終わった。

 

......この少し後、確か14時前後に異変が生じた。

 

 何だか風邪っぽいのである。自分は無駄に頑丈で急激な温度差で腹痛になる事は多いが(その場合でも五分くらい横になれば治る)風邪などここ10年以上一度もひいた覚えはない。クソ寒い日に半袖で生活していても、全く風邪の予兆すら感じない程であった。

 しかし本能的に「あっ...」と感じたのだ。これは不味いか? と......

 でもコロナとまだ決まったわけではないので、とりあえず大人しく布団に潜る、そして寝る。

 

 時刻は確か16時過ぎくらい、目を覚ましたら体調が悪化していた。

 ゼーゼーと息をしなければ辛い、手の先っぽから少し震える、ここで確信してしまった。

 

「これは陽性だ」

 

 ただの風邪じゃないのは本能的に.....というか、職場の状況からもう諦めるしかなかった。

 職場はコロナ蔓延中で、クラスター発生中と最悪な状況。何人か倒れてしまった人がいて、自分がその中の一人になってしまった。遅かれ早かれ、こうなるのは回避出来なかったのだろう。

 

 それでも「自分は大丈夫だろう」と、心の何処かではコロナにならないと思っていた、錯覚していた。

 現にこの時熱が37.5度と、自分でも10年以上見たこともない数値が出てしまい、「多分風邪だろう」と、コロナだと思いたくなかった、認めたくなかった。

 

 .....そして、心の何処かでは「ああ、俺はコロナになっちゃったんだなぁ......」と、認めざるを得なかった。少しずつ現実を受け止められるようになった、と言うべきか。

 

 職場へ連絡すると、もう察してくれた。明日以降も休みとなり病院でPCRを受ける事となるが、日程の関係で12日にならないと検査を受けられなかった。予約者でいっぱいだという理由もあったが。

 

 家族などに急いで連絡、「まだ陽性か分からない」と伝えるが、まぁコロナだろうなと察したでしょう。

 

 夕方、彼女が仕事終わりに(しかも雨の中!)色々な物品を持ってきてくれる。

 食欲は消えてなかったので、夕食は美味しかったけど片腕を床に付きながら食べていた。姿勢の維持が辛く、息も常にゼーハー、この辺りから喉に違和感が出てくる。

 

 メモ帳に残しておこうと、寝る前にパパッと書き留めておく。

 これからどうなるんだろう、不安に駆られながらも眠りにつく。

 

2月11日

・喉はまだ痛いという程ではない。でも水分の飲み込みが遅くなる。

 熱を測ったら38度まで上昇していた。ただの風邪ならどれだけ気が楽だったか......職場にも報告し、安静にと言われる。

 

 冷蔵庫は彼女が持ってきてくれた分もあり、パンパンに詰まっている。

 実は休日前に万が一を考えて(雪が降るって予報もあったので)お札数枚分食料と水分を買い溜めておいた。この時は自分で自分を有能と思った、実際助かったし。

 

 ......やる事がない。やる気が湧かない。風呂入るのもダルくなっていた。

 寝ながら動画見て眠くなるまで過ごすだけ。

 陽性なのは自分でも分かっていた。

 

2月12日

・喉が痛くなりすぎて、咳をすると吐きそうになった事が何回かあった。

 病院でPCRの検査をする。喉の痛み止めとトローチをたっぷり貰う。

 検査待ちの間ですら辛かった。気を紛らわすために、ガルミのおっぱいTier List作ったりしてた。

 

 帰宅、熱は治まっているけど全身が痛くなる。

 検査結果が早く知りたい(自分では分かっているとはいえ......)もどかしく思いながら過ごす。

 勿論、さぁ遊ぶぞー! なんて気にはならない。まだ二日目かぁとブルーになっていた。気が付いたら寝て、起きての繰り返し。起きられた時間は一時間くらい。身体がフラフラしていた。

 

 夜はスペースに参加したら、少しだけ喉がマシになった。このまま良くなるかな、と思っていたら......

 

2月13日

・検査結果はまだ出ない、やっぱりもどかしい。

 

 喉が自分のものではないってくらい激痛が走り続ける、唾液を飲むのすら痛すぎた。

 ていうか、本当は出かける予定があったんだけど、中止です中止。

 コロナは予定も全部パーになるから、怒りが湧いてくる。

 

 ゼリーやプリンを食べて、薬を飲んで、また寝たり起きたり。それしかやれる事がない.......スマホ見ていたら目が痛くなるので、どうしようもない。自分で自分に呆れながら只管横になって耐える。

 

 食欲はまだまだ消えていない。これが無くなったら終わりだと思っていた。

 

2月14日

・寝つけたのは午前4時過ぎ。

 起きたのは8時頃、喉が痛すぎて食欲はあるけど食べるのが億劫......

 熱は36度台、そこだけ安心していたら電話がかかってくる。

 

 PCR検査の結果、陽性だった。

 分かっていたからショックは少なかった。

 

 どうせ暫く外出できないし、家に籠るしかないと開き直って、ミニ四駆を組んだ。

 結構気力を振り絞って組んでいた。

 

 ご飯は板チョコがあったので、チマチマそれだけ齧っていた。

 そういえばバレンタイン、最悪なチョコだと思いつつ寝る。

 

 夜になったら彼女が食事を送ってくれた!(女神かよ)

 スープとやわらかいドーナツを食べて、薬を飲んでまた寝る。

 

 最悪が少し調和された。

 

2月15日

・めちゃくちゃぐっすり寝れた!

 でも「普通の生活をしていた夢」を見たので、虚しくなる。

 

 さらに喉の痛みが悪化していた、ダルさも少々増している、熱は35.3度。下がりすぎだろ。保健所から薬が届く。

 

 相変わらず寝て起きての繰り返し。やっぱり一時間程しか起きてられず、身体がフワつくのは薬の影響だと信じたかった。こんなにもウィダーインゼリー飲む生活送るとは......

 

 夜には少し喉がマシになる。

 彼女と親が食べ物とかを送ってくれた。

 電気の湯たんぽあったけぇ。でも昼間寝すぎてまた寝れず......

 

2月16日

・喉の痛みはほぼ変わらない。それどころか唇も痛くなる、何で?

 朝シャンして喉を潤したら、少し楽になる。

 

 やる気が出てきて部屋の掃除する。熱は36.3度。

 

 職場へ連絡、何もなければを前置きに、仕事復帰日が決まる。

 薬の影響と治りかけ? だからか昨日よりも身体がフワついた。

 でも心境はそこそこ明るめだった。

 

2月17日

書くことが段々減ってきてるなと、メモ帳を見返して思うけどそれはいい事だ。

 

 やる気が出ても何もできず、寝て起きての繰り返し......

 昼過ぎから喉の痛みが引いていき、「もうすぐ復活できる!」と予感する。 

 やる気と身体の調子が半比例しているのは、少し歯痒いけどしっかりと療養する。

 

2月18日

・夜はお茶漬け作るかーと、考えられるくらい心に余裕が生まれる。

 喉の痛みもすっかり良くなっていた! これは嬉しかった。

 

 だが9時過ぎからやたらと眠くなって、寝て起きてのループ。病み上がりだと思うようにした......

 

 夕方前からやる気が出てきて、色々手を付ける。

 

 そういえばこの日は、冥王星の誕生日だった。

 

2月19日

・保健所からの指示があり、体調に問題がないので職場復帰確定になる。

 それ以外に書くことが無いくらい、平和な日常をほぼ取り戻していた。

 

2月20日

本当に「普通の休日」を送れている。 

 16日くらいまでは、恐ろしい日々で特に喉の痛みに悩まされていたが、様々な支援があって無事に回復できた。感謝してます。

 のど飴がこんなに有難い食べ物だとは思わなかった。